投資信託と個別株式の違い

投資信託と個別株式では、投資先の選び方や分散のしやすさ、売買価格が決まる仕組みが異なります。どちらにも利益の可能性と元本割れのリスクがあります。

投資先を自分で選ぶか運用会社に任せるか

個別株式では、投資家が企業を選び、その会社の株式を直接保有します。株価が大きく上昇すれば高い利益を得られる可能性がありますが、業績悪化や不祥事によって大きく値下がりすることもあります。

投資信託では、運用方針に基づいて複数の投資先へ資金が配分されます。一社が値下がりしても、他の投資先の値動きによって影響が抑えられる場合があります。

ただし、市場全体が下落すれば、幅広く分散された投資信託でも値下がりします。分散投資は損失を完全に防ぐ方法ではありません。

売買価格が決まるタイミングも異なる

上場株式は取引時間中に価格が動き、投資家は表示されている株価を見ながら売買できます。

一般的な投資信託は、申し込みを行った時点では売買価格が確定しておらず、申し込み後に算出される基準価額で取引されます。海外資産へ投資する商品では、申し込みから受け渡しまで数営業日かかることもあります。

投資信託にはどのような費用がかかる?

投資信託には、購入時、保有中、解約時などに費用がかかる場合があります。運用成績だけでなく、長期的に負担するコストも確認することが大切です。

購入時手数料

投資信託を購入するときに販売会社へ支払う費用です。商品や販売会社によって異なり、購入時手数料がかからないノーロード型の投資信託もあります。

信託報酬

投資信託を保有している間、信託財産から継続的に差し引かれる運用管理費用です。運用会社、販売会社、信託銀行の報酬として使われます。※2

信託報酬は毎日少しずつ基準価額に反映されるため、投資家が別途振り込むものではありません。しかし、保有期間が長いほど運用成果への影響が積み重なります。

その他の費用

投資信託によっては、解約時に信託財産留保額が差し引かれる場合があります。このほか、投資信託内で株式などを売買する際の売買委託手数料、監査費用なども信託財産から支払われます。

費用は目論見書に記載されています。販売手数料だけでなく、保有中にかかる信託報酬やその他の費用も確認することが重要です。

投資信託が向いている人

投資信託は、投資先を一社ずつ選ぶことが難しい人や、少額から中長期の資産形成を始めたい人にとって選択肢になります。ただし、近いうちに使う資金には向きません。

少額から資産運用を始めたい人

投資信託は、証券会社によっては少額から積立設定ができます。いきなり大きな金額を投資することに不安がある人でも、自分が無理なく続けられる金額から始められます。

投資先を一社ずつ選ぶことが難しい人

仕事や家事が忙しく、企業の決算や株価を毎日確認できない人にも選択肢となります。広い市場へ連動するインデックスファンドであれば、一つの商品で多数の企業へ投資できます。

中長期で資産形成を考えられる人

投資信託は、数週間で確実に利益を得るための商品ではありません。値上がりと値下がりを経験しながら、長い期間をかけて資産形成を目指す商品です。

近いうちに使う生活費や、元本を減らせない資金には適しません。預金を確保したうえで、当面使う予定のないお金から始めることが、投資信託と無理なく付き合うための基本になります。

※1 資産運用業協会「基準価額と分配金」
https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/about/navdividends.html
※2 資産運用業協会「投資信託のコスト」
https://www.imaj.or.jp/study/investmenttrust/costtax/cost.html