銀行預金や退職金を投資ファンドへ回そうと考えたとき、最も迷いやすいのが「いくら投資するか」です。資産が多ければ投資額も多くてよいとは限らず、年齢だけで株式と債券の比率を決めることもできません。

同じ50代でも、毎月の収入、退職予定の時期、住宅ローン、年金の見込み、家族構成、保有資産は異なります。投資に回せる金額は、資産総額ではなく、今後そのお金をいつ使うかによって考える必要があります。

投資ファンドは複数の資産へ分散しやすい商品ですが、元本保証ではありません。預金や退職金を一度に移すのではなく、生活に必要な現金を残したうえで、余裕資金の範囲を確認することが重要です。

投資額を決める前に家計全体を確認する

投資ファンドの商品を比較する前に、現在の収入、支出、預金、保険、住宅、不動産、借入金などを整理します。投資商品だけを見ても、適切な投資額は判断できません。

毎月の生活費を把握する

最初に確認したいのが、現在の生活費です。食費、住居費、水道光熱費、通信費、保険料、医療費など、毎月継続して発生する支出を整理します。

現役中は収入の範囲で生活できていても、退職後に収入が減れば、預金から補う金額が増える可能性があります。退職後も同じ生活費が続くと仮定するのではなく、減る支出と増える支出を分けて考える必要があります。

まとまった支出の予定を確認する

住宅のリフォーム、自動車の買い替え、子どもの結婚支援、親の介護など、数年以内にまとまった支出が予定されている場合、その資金を値動きの大きいファンドへ投資することは慎重に考える必要があります。

支出予定の時期に市場が下落していると、必要な金額を用意するために、損失が出た状態で売却する可能性があります。使い道と時期が決まっている資金は、投資とは分けて管理する方法があります。

借入金との関係を確認する

住宅ローンなどの借入金が残っている場合、投資だけでなく返済との比較も必要です。繰り上げ返済をすると、その後に支払う利息を減らせる可能性があります。一方、返済した資金は簡単には引き出せなくなります。

投資ファンドから得られる収益は確定していません。借入金の金利と投資の期待収益だけを単純に比較せず、手元資金が減る影響や、返済後の生活資金も考えることが重要です。