資金を使う時期によって分ける

預金や退職金の配分を考える際は、資金を「安全資産」と「投資資産」だけに分けるより、使う時期に応じて整理すると判断しやすくなります。

すぐに使う生活資金

毎月の生活費や税金、保険料など、日常的に必要な資金は普通預金などで管理します。価格変動がなく、必要なときにすぐ引き出せることを優先する資金です。

急な病気や家電の故障など、予定していない支出への備えも必要です。生活に必要な資金まで投資すると、相場の状況に関係なく売却しなければならなくなる可能性があります。

数年以内に使う予定資金

数年以内に使う予定がある資金は、定期預金や個人向け国債など、価格変動を抑えやすい方法で保有することが考えられます。使う時期が近づくほど、収益性よりも確実に準備できることが重要になります。

債券ファンドは債券へ投資していますが、元本保証ではありません。個別の債券を満期まで保有する場合とは異なり、ファンドでは債券を継続的に売買するため、基準価額が下落することがあります。

当面使わない余裕資金

生活資金や予定資金を確保した後に残る、当面使う予定のない資金が投資ファンドを検討しやすい部分です。使用時期まで長いほど、途中で値下がりしても回復を待てる可能性が高まります。

ただし、余裕資金であっても全額を株式ファンドへ投資する必要はありません。値動きに対する不安や、将来の収入状況に応じて、預金、債券、株式などへ分けることができます。

退職金を一括投資するリスク

退職金は、現役時代に受け取る給与とは異なり、一度にまとまった金額が入ることがあります。そのため、銀行や証券会社で資産運用を勧められ、複数の投資信託を一度に購入するケースも考えられます。

購入直後に値下がりする可能性がある

市場が今後上がるか下がるかを正確に予測することはできません。一括投資した直後に株式市場が下落すると、退職金の大きな部分が短期間で値下がりする可能性があります。

退職後は給与収入が減るため、損失を新たな収入で補うことが難しくなる場合があります。投資経験が少ない状態で大きな含み損を抱えると、不安から安値で売却してしまうこともあります。

複数回に分けて投資する

まとまった資金を投資する場合でも、購入時期を複数回に分ける方法があります。毎月または一定期間ごとに同じ金額を投資すれば、異なる価格で購入できます。

分割投資をすると、投資していない期間の資金は預金として残ります。その間に市場が上昇すれば、一括投資より利益が小さくなる可能性があります。分割投資は利益を最大化する方法ではなく、購入直後の大幅な下落による心理的負担を抑えるための考え方です。

退職前から少額で経験する

退職金を受け取る前に、毎月の収入から少額の積立投資を始めておく方法もあります。基準価額が上下する経験を積み、どの程度の損失で不安になるかを確認できます。

証券会社の画面の見方、分配金、運用報告書、税金なども、実際に保有することで理解しやすくなります。退職金を受け取ってから商品知識を一から学ぶより、時間をかけて判断できます。