株式・債券・預金の配分を考える

投資ファンドへ回す金額が決まったら、どの資産へ配分するかを考えます。株式の比率が高いほど成長を期待しやすい一方、価格変動も大きくなる傾向があります。

株式ファンドの役割

株式ファンドは、企業の成長や株価上昇を資産形成へ取り込む役割があります。長期間保有できる資金であれば、短期的な値下がりを受け入れながら成長を待つことができます。

ただし、特定の国や業種だけに集中すると値動きが大きくなる可能性があります。資産の中心として利用する場合は、国内外の幅広い企業へ分散するインデックスファンドなどが比較対象になります。

債券ファンドの役割

債券ファンドは、株式とは異なる収益源を持ち、資産全体の値動きを抑える目的で組み合わせることがあります。国債中心の商品、社債中心の商品、国内債券、外国債券など種類はさまざまです。

外国債券では為替リスクがあり、信用力の低い債券へ投資するファンドでは値動きが大きくなることがあります。債券という名称だけで安全性を判断しないことが大切です。

預金の役割

預金は大きな値上がりを期待する資産ではありませんが、生活費や予定支出を安定して保有する役割があります。投資ファンドが値下がりしたときに預金があれば、すぐに売却せず回復を待ちやすくなります。

投資を増やすために預金を最低限まで減らすと、市場下落時の選択肢が狭くなります。預金は投資していない無駄なお金ではなく、資産運用を続けるための安定部分と考えられます。

バランスファンドを使う方法

株式ファンドと債券ファンドを自分で組み合わせることが難しい場合は、複数の資産を一つにまとめたバランスファンドを利用する方法があります。

資産配分を自動的に維持できる

一定の資産配分を維持するタイプでは、値上がりして比率が高くなった資産を一部売却し、比率が低下した資産を購入する調整が行われます。投資家が自分で売買する負担を抑えられます。

ただし、ファンドによって株式の比率や投資地域は異なります。株式比率が高いバランスファンドでは、市場下落時に大きく値下がりする可能性があります。

複数商品を持つより管理しやすい

多数の投資信託を購入すると、投資先が重複し、資産全体の配分が分かりにくくなることがあります。バランスファンド一つであれば、運用報告書で全体の配分を確認しやすくなります。

一方、資産ごとに商品を選ぶ場合は、株式ファンドだけ売却するなど柔軟な調整ができます。管理のしやすさと自由度のどちらを重視するかで選択が変わります。

年齢だけで投資比率を決めない

年齢が上がるほど株式を減らすという考え方はありますが、すべての50代に同じ配分が適するわけではありません。資産額、収入、支出、年金、働く期間などによってリスクを取れる範囲は異なります。

今後も収入が続くか

60代以降も働く予定があり、生活費を収入で賄える場合は、保有資産をすぐに取り崩さずに済む可能性があります。運用期間を長く確保できれば、一定の価格変動を受け入れやすくなります。

一方、退職後すぐに預金を取り崩す予定であれば、投資ファンドの比率を抑え、現金を多めに確保する必要があります。

年金や不動産収入があるか

年金収入だけで生活費の大部分を賄える人と、毎月預金を取り崩す必要がある人では、投資資産の適切な割合が異なります。不動産収入など継続的な収入がある場合も同様です。

投資ファンドだけを見て資産配分を決めるのではなく、将来の収入と支出を含めた家計全体で判断することが重要です。

定期的に資金配分を見直す

投資を始めた時点で適切だった配分が、その後も適切とは限りません。市場の値動きによって株式の比率が増えたり、退職や家族の事情によって必要資金が変わったりします。

毎日の値動きに合わせて頻繁に売買する必要はありませんが、年に一度など確認する時期を決めておくと、資産配分の偏りに気づきやすくなります。

預金や退職金を投資ファンドへ回す際は、利益を予測して金額を決めるのではなく、値下がりしても使わずに保有できる範囲を確認します。生活資金を確保したうえで、余裕資金を複数の資産と購入時期へ分散することが、長く運用を続けるための土台になります。