投資信託を始めようと思ったとき、多くの人が悩むのが「いつ買えばよいのか」という点です。
今すぐ買った方がよいのか、下がるまで待つべきなのか、一括で買うべきなのか、毎月積み立てるべきなのか。投資信託を始める前には、さまざまな迷いが出てきます。
特に50代以上の場合、老後資金や生活費とのバランスもあるため、投資タイミングは慎重に考えたいところです。
この記事では、投資信託の買い時、一括投資と積立投資の違い、シミュレーションの使い方、失敗を避けるためのチェックポイントを解説します。
投資信託の買い時はいつ?
投資信託の買い時を完璧に当てることはできません。
株式市場は日々変動しており、今が高いのか安いのかを事前に正確に判断するのは難しいからです。
特に、全世界株式や米国株式、半導体関連ファンドなど、株式比率が高い投資信託は、短期間で基準価額が大きく変動することがあります。
そのため、投資信託では「一番安いところで買う」よりも、「自分が続けられる方法で買う」ことを重視する方が現実的です。
投資信託はタイミングを当てるのが難しい
相場が下がると「もっと下がるかもしれない」と感じ、相場が上がると「今から買うのは遅いのでは」と感じます。
このように、投資のタイミングを考え始めると、なかなか買い始められないことがあります。
投資信託は、長期で資産形成を目指す商品として使われることが多いため、短期的なタイミングだけにこだわりすぎると、始める機会を逃してしまうことがあります。
ただし、まとまった資金を一括で投資する場合は、買った直後に大きく下がるリスクもあります。自分の資産状況に合わせて、一括投資と積立投資を使い分けることが大切です。
一括投資のメリット・デメリット
一括投資とは、まとまった資金を一度に投資信託へ投資する方法です。
一括投資のメリットは、相場が上昇した場合に、早い段階から資金全体を運用に回せることです。上昇相場では、積立投資よりも大きな利益を得られる場合があります。
一方で、買った直後に相場が下がると、まとまった含み損を抱える可能性があります。
特に50代以上が退職金や預金の一部を一括で投資する場合、購入直後の値下がりが大きな心理的負担になることがあります。
積立投資のメリット・デメリット
積立投資とは、毎月一定額を投資信託に投資する方法です。
積立投資のメリットは、購入時期を分散できることです。相場が高いときには少ない口数を買い、相場が低いときには多い口数を買うことになります。
これにより、購入価格を平準化しやすくなります。
一方で、相場が長く上昇し続ける場合は、一括投資の方が有利になることもあります。また、積立投資でも元本割れの可能性はあります。
積立投資は、短期で大きく増やす方法ではなく、長く続けることを前提にした方法と考えるとよいでしょう。
50代以上は一括投資を慎重に考えたい
50代以上になると、投資に使える期間や老後資金の必要性を意識する場面が増えます。
退職金や長年の預金を一度に投資信託へ回すと、相場下落時の影響が大きくなります。
そのため、50代以上が投資信託を始める場合は、以下のような方法も検討できます。
- 投資額を数回に分けて購入する
- 毎月一定額を積み立てる
- 株式型と債券型を組み合わせる
- 値動きの大きいテーマ型ファンドに集中しない
- 生活資金は預金で確保しておく
投資で大きく増やすことだけでなく、大きく減らさないことも重要です。
投資信託のシミュレーションはどう使う?
投資信託を始める前には、積立シミュレーションを使うと、将来のイメージを持ちやすくなります。
証券会社や金融機関のサイトでは、毎月の積立額、運用期間、想定利回りを入力して、将来の運用結果を試算できるシミュレーションが用意されていることがあります。
ただし、シミュレーションはあくまで仮定に基づく計算です。実際の運用では、毎年同じ利回りで増えるわけではありません。
シミュレーション結果をそのまま期待するのではなく、資金計画を考えるための目安として使うことが大切です。
シミュレーションで確認したい項目
毎月の積立額
まず確認したいのは、毎月いくら積み立てるかです。
無理な金額を設定すると、相場が下がったときや生活費が増えたときに続けにくくなります。
積立投資は長く続けることが大切です。生活費や急な出費に影響しない金額を設定しましょう。
運用期間
運用期間も重要です。
20年以上運用できる人と、5年以内に使う予定がある人では、選ぶ投資信託やリスクの取り方が変わります。
50代以上の場合、退職時期や年金受給開始時期を考えながら、いつまで運用できるかを確認しましょう。
想定利回り
シミュレーションでは、想定利回りを入力することがあります。
高い利回りを入力すれば、将来の資産額は大きく見えます。しかし、実際にその利回りが続くとは限りません。
楽観的な利回りだけでなく、低めの利回りやマイナスのケースも考えておくと、より現実的な資金計画を立てやすくなります。
元本割れの可能性
投資信託は元本保証ではありません。
シミュレーションでは右肩上がりに増えるように見えても、実際には途中で大きく下がることがあります。
特に、株式型やテーマ型ファンドは値動きが大きくなることがあります。途中で大きく下がっても続けられるかを考えておきましょう。
投資信託選びで失敗を避けるための実践チェックリスト
投資信託を買う前には、以下の項目を確認しておきましょう。
- 投資目的は明確か
- 生活資金を投資に回していないか
- 投資期間は十分にあるか
- 一括投資と積立投資のどちらが合うか
- 投資対象を理解しているか
- 信託報酬は高すぎないか
- 純資産総額は小さすぎないか
- NISA対象商品か確認したか
- 値下がりしたときの対応を考えているか
- ランキングやおすすめ銘柄だけで選んでいないか
金融庁は、NISAについて、つみたて投資枠と成長投資枠の併用が可能であることを説明しています。(※1)NISAを使う場合も、非課税メリットだけでなく、長く持てる投資信託かどうかを確認することが大切です。
買い時よりも、続けられる金額と商品選びが大切
投資信託の買い時を完璧に当てることはできません。
そのため、初心者や50代以上の方は、買うタイミングを当てることよりも、無理なく続けられる金額で始めることが大切です。
一括投資にはメリットもありますが、値下がりしたときの心理的負担も大きくなります。積立投資を使えば、購入時期を分散しながら資産形成を進めることができます。
投資信託は、預金とは違い元本保証ではありません。生活資金を守りながら、余裕資金の範囲で、自分に合った投資方法を選びましょう。
※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度を確認したうえで行ってください。
出典:
※1:金融庁「NISAを知る」





