生成AIやデータセンター需要の拡大を背景に、半導体関連の投資信託に注目が集まっています。

半導体は、スマートフォン、パソコン、自動車、AIサーバー、工場設備など、さまざまな製品に使われる重要な部品です。そのため、半導体関連企業にまとめて投資できる投資信託やETFに関心を持つ人も増えています。

ただし、半導体の投資信託は、成長期待が大きい一方で、値動きも大きくなりやすい商品です。

この記事では、半導体関連の投資信託とは何か、テーマ型ファンドのメリット、注意点、買う前に確認したいポイントを解説します。

半導体関連の投資信託とは?

半導体関連の投資信託とは、半導体メーカー、半導体製造装置メーカー、素材・部材メーカー、AI半導体関連企業などに投資するファンドのことです。

商品によっては、米国の半導体企業を中心に投資するものもあれば、日本、台湾、韓国、欧州などの企業を含むものもあります。

投資信託を使えば、個別株を一つひとつ選ばなくても、半導体関連企業にまとめて投資できます。

ただし、半導体関連といっても、ファンドによって中身は大きく違います。AI半導体に強い企業が多いのか、製造装置関連が多いのか、メモリ関連が多いのかを確認することが大切です。

テーマ型ファンドは特定分野に集中投資する商品

半導体関連の投資信託は、テーマ型ファンドの一種として扱われることがあります。

テーマ型ファンドとは、特定のテーマや成長分野に絞って投資する投資信託です。

たとえば、半導体、AI、ロボット、インド株、ヘルスケア、脱炭素、高配当株などがテーマ型ファンドとして注目されることがあります。

テーマ型ファンドは、成長分野に集中して投資できる一方で、投資対象が偏りやすいという特徴があります。

半導体関連ファンドが注目されやすい理由

半導体関連ファンドが注目される背景には、AI需要の拡大があります。

生成AIを動かすには、高性能な半導体が必要です。また、AIサーバーを大量に設置するデータセンターでも、多くの半導体が使われます。

WSTSは、2026年の世界半導体市場について、9750億ドル規模まで成長すると予測しています。特にメモリとロジックが市場成長をけん引するとされています。(※1)

こうした市場見通しから、半導体関連の投資信託は成長テーマとして注目されやすくなっています。

半導体投資信託と半導体ETFの違い

半導体関連に投資する方法には、投資信託とETFがあります。

投資信託は、証券会社や銀行などを通じて購入できる金融商品です。積立設定がしやすく、NISAのつみたて投資枠や成長投資枠で購入できる商品もあります。

ETFは、証券取引所に上場している投資信託です。株式のように市場価格で売買できる点が特徴です。

どちらが良いかは、投資スタイルによって変わります。

  • 毎月積み立てたい人は投資信託を検討しやすい
  • 市場価格を見ながら売買したい人はETFを検討しやすい
  • 手数料や信託報酬は商品ごとに確認が必要
  • NISA対象かどうかも確認する必要がある

テーマ型ファンドのメリット

成長分野にまとめて投資しやすい

テーマ型ファンドのメリットは、成長が期待される分野にまとめて投資しやすいことです。

半導体関連であれば、AI半導体、製造装置、素材、検査装置など、複数の関連企業に投資できる商品もあります。

個別株を一つひとつ選ぶのが難しい初心者にとって、投資信託を使って分散できる点はメリットになります。

個別銘柄を選ぶ手間を減らせる

半導体関連株は、企業ごとに事業内容が大きく異なります。

AI半導体に強い企業、製造装置に強い企業、メモリに強い企業、素材に強い企業などがあり、初心者がすべてを分析するのは簡単ではありません。

投資信託であれば、運用会社が一定の方針に基づいて銘柄を組み入れます。そのため、個別銘柄選びの負担を減らせる可能性があります。

テーマ型ファンドの注意点

値動きが大きくなりやすい

半導体関連の投資信託は、株式市場全体よりも値動きが大きくなることがあります。

半導体市場は成長期待が大きい一方で、景気、設備投資、在庫調整、金利、為替、規制の影響を受けやすい分野です。

短期間で大きく上がることもありますが、その反動で大きく下がることもあります。

信託報酬が高い場合がある

テーマ型ファンドは、一般的なインデックスファンドより信託報酬が高い場合があります。

信託報酬は、投資信託を保有している間にかかる運用管理費用です。長期で保有する場合、この費用の差が運用成果に影響することがあります。

半導体関連ファンドを選ぶときは、信託報酬が高すぎないか、同じようなETFや投資信託と比較して確認しましょう。

ブーム後に資金流出が起きることもある

テーマ型ファンドは、人気が高まると多くの資金が集まります。

しかし、ブームが落ち着いたり、テーマへの期待が後退したりすると、資金流出が起きることがあります。

資金流出が続くと、純資産総額が減少し、運用が不安定になる場合もあります。

人気があるから安心と考えず、純資産総額の推移や運用方針を確認することが大切です。

半導体関連の投資信託を選ぶ前に確認したいこと

半導体関連の投資信託を選ぶ前には、以下の点を確認しましょう。

  • どの国や地域の企業に投資しているか
  • 組入上位銘柄は何か
  • AI半導体、製造装置、素材など、どの分野が中心か
  • 信託報酬はいくらか
  • 純資産総額は十分か
  • NISA対象商品かどうか
  • 過去の値動きに耐えられるか
  • 資産全体の中で持ちすぎていないか

資産運用業協会は、交付目論見書にはファンドの目的・特色、投資のリスク、運用実績、手続・手数料などが記載されると説明しています。(※2)

半導体関連ファンドを買う前には、目論見書を確認し、自分が何に投資するのかを理解しておきましょう。

テーマ型ファンドは資産の一部として考える

半導体関連の投資信託は、AI時代の成長テーマとして魅力があります。

しかし、値動きが大きいテーマ型ファンドを資産の中心にしすぎると、相場が下がったときの影響が大きくなります。

50代以上が投資信託を選ぶ場合は、生活資金を預金で確保し、全世界株式やバランス型ファンドなどを中心にしながら、半導体関連ファンドは資産の一部として考える方法もあります。

人気テーマだからといって急いで買うのではなく、信託報酬、投資対象、リスク、NISA対象かどうかを確認し、自分の資産全体に合う範囲で検討しましょう。

※本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を推奨するものではありません。投資判断は、ご自身の資産状況やリスク許容度を確認したうえで行ってください。

出典:
※1:WSTS「Global Semiconductor Market Approaches $1T in 2026」
※2:資産運用業協会「目論見書」