家を手放すか、それとも貸して残すか。どちらも大きな決断なので、迷うのが普通です。特に45歳を過ぎると、住み替え、働き方の変化、親の介護、子どもの独立などが重なり、
「今の家をどう扱うのが一番負担が少ないか」を考える場面が増えます。このページでは、売却と賃貸の違いを“お金”だけでなく“手間とリスク”まで含めて整理し、
自分の優先順位に合う選び方ができるように判断基準をまとめます。
売るか貸すかで変わるのはお金より手間とリスク
売却と賃貸は、どちらが得かという話だけでは決めにくく、日々の負担と起こり得るトラブルの種類が大きく変わります。
売却の特徴は資金が確定し管理から離れやすいこと
売却は、成立すれば資金が一度で確定し、その後の維持管理(修繕・空室・入居者対応など)から距離を置きやすいのが特徴です。
一方で、手放す以上「将来やっぱり住みたくなった」と思っても戻りにくく、住み替え先や生活費の見通しまで含めて考える必要があります。
賃貸の特徴は家を残しつつ収入が期待できること
賃貸は、家を手放さずに家賃収入を得られる可能性がある点が魅力です。将来、状況が変わったら自分や家族が住む選択肢を残せると感じる方もいます。
ただし、収入が「毎月必ず入る」とは限らず、空室、修繕、入居者対応などの負担が続く前提で考える必要があります。
貸す場合は家賃収入と支出の見込みを先に作る
賃貸を検討するときは、まず「家賃収入がどのように扱われ、どんな支出が出やすいか」を整理すると、迷いが減ります。
家賃収入は不動産所得として収支で考える
国税庁の案内では、不動産所得の金額は「総収入金額 − 必要経費」で計算する形で整理されています。
家賃収入があっても、修繕や管理にかかる支出が増えると、手元に残る金額の見え方は変わります。
そのため、家賃だけで判断せず、毎年発生しそうな費用を並べたうえで、収支のバランスを見ることが大切です。
賃貸で起きやすい支出を現実ベースで見積もる
賃貸では、室内設備の故障対応、原状回復、退去後のクリーニング、募集のための費用など、タイミングによって支出が増えます。
さらに、空室期間が発生すれば収入が止まるため、家賃が入らない月があっても耐えられる資金計画にしておくと安心です。
貸す場合は契約条件の決め方でトラブルの起こり方が変わる
賃貸は「貸したら終わり」ではなく、契約期間中のルールで負担が左右されるため、最初の取り決めが重要です。
契約書はひな形を参考にして抜け漏れを減らす
国土交通省は、賃貸借契約をめぐる紛争の防止などを目的とした「賃貸住宅標準契約書」を公表しています。
法的に使用が義務づけられているものではありませんが、契約条件を整理する際の“抜け漏れ防止”の観点で参考にしやすい資料です。
先に決めておくと安心な論点
- 入居中の修繕はどこまで貸主負担になるか
- 退去時の原状回復の考え方をどうするか
- 更新の扱い、契約期間、解約の申し出期限
- 管理を自分で行うか、管理会社に委託するか
ここが曖昧なままだと、設備不良や退去時の負担などで揉めやすくなります。自分が「何を避けたいか」を基準に、条件を言葉にしておくと進めやすいです。
売却を検討するなら売れやすさと手間の見通しを点検する
売却は「いくらで売れるか」だけでなく、「どのくらいの期間と手間がかかりそうか」を先に点検すると、判断がぶれにくくなります。
売れやすさに影響しやすい要素をチェックする
- 立地と生活利便(通院、買い物、交通の使いやすさ)
- 建物の状態(雨漏りや設備不良など、説明が必要な点の有無)
- マンションの場合は管理状態(共用部の印象、管理の安定感)
- 内見時に伝わる情報(片付け、採光、におい、写真の分かりやすさ)
先に“買う側の不安になりやすい点”を把握しておくと、売り出し後に想定外の交渉が続くリスクを減らせます。
迷いを整理するための判断フレームを作る
決め切れないときは、気持ちの問題ではなく「優先順位の違い」で揺れていることが多いです。次の3点を紙に書き出すと、方向性が見えやすくなります。
優先順位を決めるための3つの問い
- 毎月の管理や連絡対応が続いても負担になりにくいか
- 一定期間、家賃が入らなくても家計が崩れないか
- 資金を確定させたい期限があるか(住み替え、生活費、家族の事情など)
次の一手を決めるための動き方
まずは賃貸にした場合の「収支の見込み(家賃と支出)」を作り、同時に売却の場合の「価格の目線と売却にかかる期間感」を確認すると、比較が現実的になります。
数字の材料がそろってから、手間とリスクの許容度(どこまでなら引き受けられるか)に照らして決めると、後悔が起こりにくい選び方になります。
出典:国税庁 タックスアンサー(No.1370 不動産収入を受け取ったとき(不動産所得))/国土交通省 『賃貸住宅標準契約書』について





