マンション投資で迷いやすいのが「ワンルーム」と「ファミリータイプ」のどちらを選ぶかです。どちらが正解かは、エリアの需要や購入価格、運用方針、そして将来の売り方によって変わります。表面上は利回りが高い方が魅力的に見えても、入居者の動きや修繕の出方、空室が出たときのダメージはタイプごとに違います。ここでは、それぞれの特徴を比べながら、自分の条件に合う選び方を整理します。

まず押さえるべき違いは「誰が住むか」

ワンルームは単身需要が中心

ワンルームは、学生・新社会人・単身赴任・単身の社会人など、単身者が主な入居者になります。入居のハードルが比較的低く、募集もしやすいエリアがある一方で、ライフイベントで住み替えが起きやすく、入退去の回転が速くなりがちです。回転が速いほど原状回復や募集費用が増えやすい点は、運用の現実として押さえておく必要があります。

ファミリータイプは「長く住む人」が多い

ファミリータイプは、子育て世帯や共働き世帯などが中心になります。転校や生活環境の変化を避けたい事情から、単身よりも長く住み続ける傾向があり、入退去の頻度は低くなりやすいです。その一方で、募集時に求められる条件(学区、治安、利便性、間取り、収納など)が多く、エリア選定を間違えると空室が長引くリスクも出ます。

運用の違いは「空室の重さ」と「費用の出方」

空室が出たときのダメージはファミリーの方が大きくなりやすい

一般に、ファミリータイプは家賃が高い分、空室になった月の損失も大きくなります。ワンルームは家賃が低い分、空室ダメージが相対的に軽い場合がありますが、そのぶん回転が速く、募集費用や原状回復が積み上がりやすいという形で効いてきます。どちらが厳しいかではなく「厳しさの出方が違う」と捉えると判断がしやすくなります。

原状回復は「頻度」と「金額」のどちらが重いか

ワンルームは入退去が多いと、清掃やクロス張替えなどの原状回復が頻繁に発生します。ファミリーは頻度は低くても、退去後の修繕範囲が広くなりやすく、1回あたりの金額が大きくなることがあります。どちらも「発生する前提」で、手元資金に余裕を持たせておくのが現実的です。

募集のしやすさはエリアで逆転する

都心部や駅近で単身需要が強い場所ではワンルームが埋まりやすい一方、郊外の住宅エリアや学校・生活利便が整った場所ではファミリーの方が決まりやすいことがあります。タイプの優劣よりも、そのエリアで「誰が住むか」に合わせる方が、空室リスクを下げやすいです。

収益性の見方は「利回り」より「再現性」

ワンルームは利回りが良く見えやすいが、前提が崩れやすいことも

ワンルームは価格が低めで表面利回りが良く見えることがあります。ただし、家賃が周辺相場から浮いていたり、広告費を積み増さないと決まらない状態だったりすると、手残りが想定より減ります。小さなズレが積み上がりやすいので、家賃の根拠と募集条件は丁寧に確認したいところです。

ファミリーは安定しやすい一方、出口の設計が重要

ファミリーは長期入居が期待できる反面、売却時に買い手の層が限定される場合があります。投資家向けに売るのか、実需(自宅として買う人)も狙えるのかで出口が変わります。購入時点で「どの層に売れそうか」を想定しておくと、将来の詰まりを減らしやすくなります。

入居者像から考える、向いている人の違い

ワンルームが合いやすいケース

  • 単身需要が強いエリア(駅近・都心寄り・大学や企業が多い)で運用する
  • 入退去が出ても、短期間で埋めるための募集戦略を回せる
  • 小さな費用が継続的に発生する前提で資金計画を組める

ファミリーが合いやすいケース

  • 生活利便や環境の良いエリア(学校・買い物・治安など)で需要が見込める
  • 長期入居で安定運用を狙い、退去時の大きな出費にも備えられる
  • 将来は実需も含めた売却を視野に入れ、出口の幅を持たせたい

迷ったときの判断の型

「需要が強い方」ではなく「需要が分かる方」を選ぶ

需要の強さは変動しますが、需要の根拠は観察できます。周辺で似た条件の物件がどう埋まっているか、募集期間はどれくらいか、家賃を下げずに決まっているかなど、確認できる情報が多い方が判断のブレを抑えられます。

手残りのシミュレーションは「悪いケース」から作る

満室前提や修繕なし前提から計算すると、実際とのズレが大きくなります。空室が数か月続く、原状回復が重なる、金利が上がるなど、悪いケースを先に置くと「耐えられるか」が見えます。投資で重要なのは期待値よりも、致命傷を避ける設計です。

出口は早めに決めるほど迷いが減る

将来、投資家に売るのか、自分で住む人に売るのかで、合う物件の条件が変わります。ワンルームかファミリーかの迷いも、出口が定まると整理しやすくなります。次は「運用面で差がつく要素」として、管理会社の影響を押さえると、より現実的に組み立てやすくなります。

※免責事項:本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の物件・投資手法の勧誘や助言を行うものではありません。家賃収入や利回り、費用、税金、ローン条件、法令・制度は物件や契約内容、地域、市況により異なります。最終判断はご自身の責任で行い、必要に応じて不動産会社・金融機関・税理士・弁護士などの専門家にご確認ください。