NISAは若い世代が資産形成に使うもの、というイメージを持っている人は多いかもしれません。しかし実際には、60代からでもメリットを得られるケースがあります。特に「つみたてNISA」は少額から始められ、守りを意識した投資としてシニア世代にも適している一面があります。ここでは60代がつみたてNISAを検討する価値について整理していきます。
少額から始められる安心感
無理のない範囲で投資できる
つみたてNISAは月1万円程度など、少額から始めることができます。まとまった資金を一気に投じる必要がなく、生活費や医療費を圧迫せずに「余剰資金だけを育てる」スタイルを取れるのが大きな特徴です。
大きなリスクを避けられる
毎月少しずつ積み立てていく仕組みは、株価の上下をならす効果があります。高値づかみや急な値下がりのリスクを抑えられるため、心理的にも安心して続けやすいといえるでしょう。
インフレ対策になる
現金の価値は目減りしていく
銀行預金の金利はほぼゼロのままですが、物価は少しずつ上昇しています。現金だけで資産を持ち続けると、実質的な購買力は年々低下してしまいます。
分散投資で物価上昇に備える
つみたてNISAの投資信託は、国内外の株式や債券など幅広い資産に分散されているものが多く、長期的にインフレから資産を守る手段になり得ます。少額でも続けることで「現金だけに依存しない備え」をつくれます。
相続や子世代への資産移転にも
投資信託は相続可能
つみたてNISAで積み立てた投資信託は相続の対象になります。現金と同じように家族に引き継ぐことができるため、将来の資産移転にもつながります。
家族との投資のきっかけに
「子や孫に投資を伝える」きっかけとしても有効です。自分自身の老後資金を守りながら、次世代に資産形成の大切さを伝える手段にもなります。
精神的な安心材料にもなる
生活にハリをもたらす
少額からの投資でも、株価や経済ニュースに自然と関心が高まり、知的刺激になります。資産運用を通じて生活にハリを感じられることも、60代以降にとって大きなメリットです。
「少額だから大丈夫」という安心感
少額積立であれば、相場変動に振り回されすぎずに続けられます。「大きく失う不安がない」ことが、継続の一番の安心材料になります。
守りのつみたてとしての活用
つみたてNISAを60代から始める場合、「攻めの投資」ではなく「守りの投資」として使うのが現実的です。生活費や医療費は現金でしっかり確保したうえで、余剰資金をつみたてに回す。そのバランス感覚こそが安心につながります。
60代だから遅い、ということはありません。むしろ「守りながら資産を育てる」という点では、つみたてNISAはシニア世代にこそ適した選択肢になり得るのです。