よくある“高利回り”タイプと仕組み
新興国通貨建て債券
- 仕組み:金利水準の高い国の通貨で発行された債券。表面利回りは高めになりやすい。
- 主なリスク:為替(通貨が下落すると日本円ベースの評価が目減り)、信用(国・企業の返済能力)、流動性(相場急変時に売りにくい)。
- 注意点:金利差だけに注目し“スワップで稼ぐ”発想に偏ると、通貨急落で一気に損失が拡大することがある。
ハイイールド債(低格付け社債)
- 仕組み:投資適格より下位の信用格付け(BB以下など)の企業が発行する社債。高いクーポンで投資家を惹きつける。
- 主なリスク:信用(倒産・デフォルト・リストラ債務)、景気敏感(景気悪化で価格が大きく下落)。
- 注意点:分散のない単一銘柄・少数銘柄集中は危険。ファンド経由でも債務不履行率や組入先の財務健全性を要確認。
仕組債(デリバティブ内蔵商品)
- 仕組み:株価指数や個別株、為替、金利などのデリバティブを組み込んだ債券。条件達成でクーポンが高くなる一方、ノックインなど特定条件で損失が発生しやすい設計。
- 主なリスク:価格変動(対象資産の急落時に元本大幅毀損)、仕組みの複雑性(理解不足)、流動性(中途売却時の大幅ディスカウント)。
- 注意点:“条件付きの高利回り”は、裏返すと“条件を満たさないときの損失受け入れ”を意味する。細かな条件・参照資産・ノックイン価格・繰上償還条項の読み込みが必須。
超高配当株の集中投資
- 仕組み:配当利回りの高い銘柄に絞って投資。
- 主なリスク:業績悪化で配当減配・無配に転落、価格下落でトータル損失、セクター偏重。
- 注意点:配当は将来の約束ではない。利回りの“高さ”は株価下落が織り込まれて見かけ上高くなっている場合もある。