
物価上昇や円安などが続く中、「現金を銀行に預けておくだけでは安心できない」と感じる人が増えています。そんなとき、純金(ゴールド)やプラチナといった貴金属が「資産を守る道具」として再び注目されています。この記事では、2025年の最新情勢を踏まえながら、現金より金・プラチナを持つことのメリットを初心者向けに解説します。
なぜ今、金やプラチナが注目されているのか?
金:史上最高値圏で上昇中
2025年10月現在、金価格は1トロイオンスあたり4,000ドル台に迫る勢いで推移しています。過去最高水準に近づくこの上昇は、世界経済の不透明感を反映したものです。
背景には以下のような要因があります。
- 米国の債務問題や金利政策の不透明感
- ウクライナ・中東情勢など地政学リスクの高まり
- ドル安と将来的な利下げ観測
- 中央銀行による金の買い増し
実際に、J.P.モルガンは2026年半ばに金価格が4,000ドルを突破する可能性を指摘しています。各国の通貨不安が続く中、「世界共通の価値を持つ資産」として金への信頼が高まっているのです。
プラチナ:供給不足と産業需要の拡大
一方のプラチナは、金とは少し違う理由で注目されています。2025年に入り、プラチナは世界的な供給不足(デフィシット)が続いており、価格上昇の要因となっています。
特に次の点が注目されています。
- 自動車の排ガス触媒など産業用途での需要回復
- 燃料電池など次世代エネルギー分野での需要拡大
- 主要鉱山の減産による供給制約
- 投資需要の急増(2025年第1四半期は前年比300%増)
プラチナは金より市場規模が小さいため、需給の変化が価格に反映されやすい特徴があります。産業需要と投資需要の両方が高まる今、価格上昇の余地が大きいと考えられています。